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リマック・ネヴェーラ:1914馬力の電気の嵐、世界を揺るがすEVハイパーカー

リマック・ネヴェーラ 諸元データ(2021年仕様)

・販売時期:2021年〜
・全長×全幅×全高:4750mm × 1986mm × 1208mm
ホイールベース:2745mm
・車両重量:2150kg
・ボディタイプ:2ドアクーペ
・駆動方式:AWD(4モーター独立駆動)
・エンジン型式:電動モーター×4(前後に各2基)
・排気量:-(EVのためなし)
・最高出力:1914ps(1408kW)/ 無段階(最大出力)
・最大トルク:236kgm(2300Nm)/ 無段階(最大トルク)
トランスミッション:シングルスピード
・サスペンション:前:ダブルウィッシュボーン / 後:ダブルウィッシュボーン
・ブレーキ:カーボンセラミック(前後)
・タイヤサイズ:前:275/35 R20 / 後:315/35 R20
・最高速度:412km/h
・燃料タンク:-(EVのためなし)
・燃費(JC08モード):-(EVのため非対応)
・価格:約200万ユーロ(約3億円〜)
・特徴:
 - 電動4モーターによる1輪独立トルクベクタリング
 - 量産EV最速級の加速性能(0-100km/h:1.85秒)
 - アクティブエアロとAI制御による動的挙動制御

 

電気の怪物が現れた!衝撃のハイパーカー、リマック・ネヴェーラ

クルマ好きの間で、「電動車って速いんだよね」という話が出るたびに、必ずといっていいほど登場する名前があります。それがクロアチア発の電動ハイパーカーリマック・ネヴェーラです。内燃機関の限界を越え、ついに人類はここまで来たか、と思わされるような加速力とテクノロジーを兼ね備えた一台。

正直、スペックを見ただけではピンと来ないかもしれません。0-100km/hを1.85秒で走ると言われても、ほとんどの人は「ふーん」か「そんなの必要?」という反応でしょう。でも、ネヴェーラの本質は単なる数字の派手さではなく、EVという新しい技術の可能性を突き詰めて生まれた「走る未来」そのものなんです。

このクルマがなぜこれほどまでに話題になるのか。どんな開発ストーリーがあり、どんな哲学が詰め込まれているのか。そしてこのクルマが、ブガッティすら巻き込むほどの存在になった理由とは?今回は、そんなネヴェーラの魅力に迫ってみましょう。

 

自作ガレージから始まった、マテ・リマックの挑戦

リマック・ネヴェーラの物語は、1人の若きエンジニア、マテ・リマックの情熱から始まります。彼が電動車の可能性に目覚めたのは、まだクロアチアに本格的な自動車産業すらなかった2000年代のこと。自宅のガレージでBMWの3シリーズ(E30)をベースにしたEVコンバートカーを作り始め、これが世界中のエンジニアたちから注目されました。

その後、2009年に「リマック・アウトモビリ」を立ち上げ、独自にバッテリーやモーター制御技術を開発。2016年には「Concept_One」でその技術を世に知らしめ、2021年に完成したのが、フルカーボンモノコックに4基のモーターを搭載したこのネヴェーラです。

彼のスタートアップ精神と技術者としての妥協なき姿勢は、「世界で最も急成長しているハイパーカーメーカー」としてリマックを一気にスターダムに押し上げました。まさに21世紀版のエジソンといったところです。

EVならではの制御が生む、次元を超えたパフォーマンス

ネヴェーラのスペックは、とにかく桁違いです。1914馬力、トルクは2300Nm。もうちょっと想像しやすく言うと、F1マシンより速い0-100km/h加速を持ちながら、それでいてクーラーもナビも積んだストリートカーなんです。

でも、ネヴェーラの本当の凄みは、EVならではの制御技術にあります。前後左右に1基ずつ配置された4つのモーターは、それぞれがタイヤ1本ずつを独立して駆動。これにより、コーナリング時はもちろん、加速・減速すらもすべてリアルタイムでトルクを配分し直すことができます。

さらには、アクティブ・エアロダイナミクスも備えており、走行状況に応じてウイングやダンパー、エアダクトが変化。物理法則の隙間を突いたかのような挙動制御で、単に速いだけでなく、乗っていて「怖くない」ことがネヴェーラの魅力です。

ブガッティをも巻き込む、電動ハイパーカーの主役

2021年、世界は驚くべきニュースに沸きました。リマックとブガッティが合弁会社ブガッティ・リマック」を設立すると発表したのです。あのシロンを生んだブガッティが、わずか十数年の歴史しかないEVベンチャーと手を組む──これはまさに「時代が動いた」瞬間でした。

なぜブガッティはリマックを選んだのか。その答えは、ネヴェーラが持つ技術的信頼性と完成度の高さにあります。内燃機関では辿り着けない領域へ、しかもそれを安全に、美しく、量産車として成立させてしまった。ブガッティにとっても、EV時代の未来像を描くうえでリマックの存在は不可欠だったのです。

ネヴェーラは、単なる1台の電動ハイパーカーではありません。次世代のブガッティ像すら方向づけるような存在として、業界全体を動かす中心に立っているのです。

 

まとめ

リマック・ネヴェーラは、スペックや加速性能だけを語るにはもったいないクルマです。そこには、創業者マテ・リマックのビジョン、EV技術の真髄、そしてハイパーカーというジャンルそのものの再定義が詰まっています。

「電動車は退屈」なんてもう言えません。むしろこれからは、こういったクルマが感情すら揺さぶる走りの魅力を作り出す時代です。ネヴェーラはその先駆けであり、象徴であり、そしてクロアチアという小さな国から放たれた、世界を揺るがす稲妻のような存在なのです。

ネヴェーラという名前にふさわしく、嵐のように登場し、自動車界に衝撃を与えた一台。これからの電動ハイパーカー時代、その中心にいるのは間違いなくこのクルマです。