キア・テルライド(2020年型・EXグレード)諸元データ
・販売時期:2019年~現在
・全長×全幅×全高:5001mm × 1989mm × 1750mm
・ホイールベース:2900mm
・車両重量:約1950kg
・ボディタイプ:SUV(3列シート)
・駆動方式:FF(オプションでAWDあり)
・エンジン型式:3.8L V6(ラムダ II GDiエンジン)
・排気量:3778cc
・最高出力:291ps(217kW)/6000rpm
・最大トルク:36.2kgm(355Nm)/5200rpm
・トランスミッション:8速AT
・サスペンション:前:マクファーソンストラット / 後:マルチリンク
・ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(前後)
・タイヤサイズ:245/50R20(グレードにより異なる)
・最高速度:約210km/h(参考値)
・燃料タンク:71L
・燃費(EPA推定値・市街地/高速):約8.5km/L~10.6km/L
・価格:32,000ドル~45,000ドル(グレード・装備による)
・特徴:
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ボクシーかつ高級感あるエクステリア
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3列シートで大人8人乗車可能
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高度な運転支援システムを標準装備
北米SUV市場の主役といえば、かつてはビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)のお家芸でした。しかし2019年、そこに颯爽と現れたのが、韓国・キアが送り込んだテルライド(Telluride)です。見た目はガッチリ、乗ればラグジュアリー、そして3列シートで家族みんなを包み込む包容力。これがアメリカ人の心を一瞬でつかみ、デビューから瞬く間に大ヒットを記録しました。
さらにその人気は単なる売上だけにとどまりませんでした。2020年には、世界の自動車業界が注目する「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を堂々受賞。これは単なる”良いSUV”というレベルを超え、「世界で最も優れた車のひとつ」として認められた証でした。
今回の記事では、そんなキア・テルライドの魅力に迫ります。デザインがなぜ成功を呼んだのか、世界から絶賛された実力とは何だったのか、そしてなぜ「家族のベストSUV」と称賛されるのか。北米市場を席巻した理由を、じっくり楽しくひもといていきましょう!
圧倒的な存在感!テルライドのデザインが生んだ成功
キア・テルライドが北米市場で旋風を巻き起こした最大の理由のひとつは、やはりその見た目のインパクトにありました。北米で好まれる大型SUVは、いかにも「頼りがいのある」存在感が求められます。テルライドは、あえて角ばったスクエアなデザインを採用し、まるでアメリカ製SUVのような堂々たるスタイルを作り上げました。グリルは幅広く、ヘッドライトも直線的で力強く、どの角度から見ても威風堂々。まるで「道を譲らずに進む」そんなイメージをまとっています。
しかも、外見だけが豪快なわけではありません。中に入ると、そこには予想を超えるラグジュアリーな世界が広がっていました。質感の高いレザーシート、ウッド調パネル、金属パーツの使い方など、一見してプレミアムブランドのSUVと遜色ない仕上がり。特にトップグレードのSXは、もはやラグジュアリーSUVと呼んでも差し支えないレベルでした。高級感を求めるアメリカのファミリー層にも、このギャップが大きなインパクトを与えたのです。
そして忘れてはいけないのが、テルライドのデザインには「単なる見た目」以上の計算があったということです。スクエアなフォルムは車内スペースを最大化し、3列シートSUVとして理想的なパッケージングを実現していました。外観と実用性、その両方を見事に両立させた結果、テルライドは見た目にうるさい北米ユーザーからも、家族ユースを重視する層からも熱い支持を集めたのでした。
ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー受賞!テルライドの実力とは?
2020年、世界の名だたる自動車たちを抑えて、堂々と「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」の栄冠に輝いたキア・テルライド。そのニュースは、自動車業界にちょっとした衝撃をもたらしました。「キアが?」という声も一部ではあったものの、実際に試乗したジャーナリストたちは口を揃えてその完成度の高さを絶賛。テルライドは、単なる“コストパフォーマンスの良いSUV”ではなく、あらゆる面で世界トップクラスのクルマだったのです。
まず評価されたのは、走りの上質さです。搭載される3.8リッターV6エンジンは、291馬力を発生し、大柄なボディを軽々と引っ張ります。それでいて静粛性も高く、長距離ドライブでも疲れにくい快適性を実現。さらに、8速ATのスムーズな変速と、しっかりとした足回りが生むしなやかな乗り味が、ラグジュアリーSUV顔負けのフィーリングを提供していました。
また、充実した装備内容も見逃せません。アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、衝突回避アシストなどの先進運転支援システムが標準装備され、さらにインフォテインメントシステムの使い勝手も高評価。これらの安全性と便利さが、価格帯を考えれば信じられないほど充実しており、まさに「プレミアムクラスのクルマを手の届く価格で」という理想を体現していたのです。
つまり、テルライドがワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのは、派手な話題作りではなく、デザイン・走り・装備・価格すべてにおいて世界水準を超えてきたから。キアというブランドに対する先入観を超えた実力が、世界中の審査員たちを唸らせたのでした。
アメリカで「家族のベストSUV」と呼ばれる理由
キア・テルライドは、ただの格好いいSUVではありませんでした。その本当の価値が輝くのは、家族みんなで乗ったとき。だからこそ、アメリカでは「ファミリーカーとして最高のSUV」とまで称賛されているのです。
まず、注目すべきはその広々とした室内空間です。テルライドは全長5メートル超えという堂々たるボディサイズを生かし、3列シートをゆったりと配置しています。しかも、大人が座る3列目でもしっかりとした足元スペースを確保。普通なら「子ども専用」と言われがちな3列目でも、テルライドなら大人が快適に過ごせるのです。これにより、家族だけでなく、友人を乗せたグループ旅行でも大活躍します。
さらに、使い勝手を高める工夫も至るところに散りばめられています。2列目シートはワンタッチで前に倒れ、3列目へのアクセスも簡単。USBポートも各列に用意されており、長時間のドライブでもスマホの充電に困ることはありません。また、ラゲッジスペースもたっぷり確保されていて、家族旅行のスーツケースやベビーカー、大量の買い物も余裕で収納できます。
そして忘れてはならないのが、高水準の安全性能です。テルライドはNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)やIIHS(米国道路安全保険協会)からも高い評価を受け、安全テストでもトップクラスの成績を残しています。子どもを安心して乗せられるクルマであることが、多くの家族にとって決定打となりました。つまりテルライドは、見た目も走りも豪華だけど、中身はとことん実用的で安心できる「頼れる家族の相棒」だったのです。
まとめ
キア・テルライドは、デザイン、性能、実用性、そのすべてが見事に調和したSUVでした。ボクシーで頼もしいスタイリングは、北米市場で求められる「タフさ」と「上質さ」を完璧に表現し、多くの人の心をつかみました。見た目のインパクトだけでなく、インテリアの高級感や実際の使い勝手まで緻密に考え抜かれている点も、人気の秘密でしたね。
ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した実力は伊達ではなく、走りの質感、安全装備、快適性、どれをとっても世界レベル。価格を考えれば、むしろ「お得すぎる」と言いたくなるような完成度の高さでした。キアというブランドのイメージを一気に押し上げた存在であり、グローバルでの評価も当然の結果だったといえるでしょう。
そして何より、家族みんなが安心して使える広さ、利便性、そして安全性を兼ね備えたことが、テルライド最大の魅力です。見た目のカッコよさだけでなく、毎日の暮らしを支えるリアルな実力こそが、アメリカで「家族のベストSUV」と呼ばれる理由なのです。これからもテルライドは、多くの人たちの思い出を乗せながら、世界中の道を走り続けていくことでしょう。